ノー残業で仕事を終えるには?

時間の疑問

 求人票を見るときに、仕事の内容や賃金、休みの日数と同じように、残業の時間数が気になる方もいらっしゃるのではないだろうか。残業時間を知ることで、その職場で働く仕事のイメージや自分のプライベートの充実度もある程度予測することができる。

 例えば、一ヶ月の残業時間数が20時間程度の職場があるとする。その職場では、およそ一日一時間の残業が想定されているため、固定残業代として20時間分が毎月支給されている。しかし、このような職場でも皆が皆、毎月20時間ぴったりの残業をしているというわけではない。現実には、同じ仕事の内容であるはずなのに、残業ゼロの人もいれば、残業が毎月40時間を超える人も存在する。
 勿論、人によって担当する案件の数や、そのときに対応すべき案件の緊急度により多少の事情がある場合もある。だがその分を差し引いても、時間内で仕事を終える人、毎日残業が続く人は大体決まってくる。今回は、仕事の時間をコントロールする方法について考えてみたい。

 実際に、働くスタッフ皆が所定の時間で仕事を終える職場は存在する。私自身、数年間お世話になり実体験したのだが、今振り返ると仕事の密度の濃さは勿論のこと、全ての動きに無駄がなかったように思う。とはいえ、休憩時間もしっかりと取ることはでき、突発的な事案にも対応できる余裕はあった。

 なぜ、そのような運営が可能であったのかを考えてみたい。一番大きな要素はトップの考え方であったと思う。トップが、時間内で仕事を終えると決めてしまえば、実際に現場で働くスタッフは、どうすれば時間内で仕事が終えられるかを必死に考えるようになり、実行せざるを得なくなる。
 二つ目に、時間内に終わらせるために、仕事の割り振りが適切であった点であるように思う。人によって経験値や能力などが違うため、抱える案件の量や質には差はでてくる。そこで、その人にしかできない業務、誰にでもできる業務を洗い出し、日々業務の分配をし、仕事を進めていた。
 三つ目に、現場を俯瞰できるリーダーの存在が大きいように思う。やはり、本人の能力や突発的な案件により、うまく時間内に終わらせることができないケースもあるため、目の前の仕事に取り組む人と同じように、全体を見渡すことのできる人の存在は大きい。リーダーが適切に仕事を割り振りすることで、スタッフ一人一人にも物事を俯瞰で見るクセが自然と身につき、時間に対する意識が高まる。

 会社の規模や会社が目指す方向性、働く人自身が何を望むかにより、方法も違ってくるとは思うが、トップが自らの考えを明確にし現場に伝えること、それを受けた現場の人間が実現の為の方法を常に考えながら仕事をすることは、ノー残業を達成するための一つの方法であるように思う。ノー残業を皆で達成するために、自分にできることを考えながら、実行していきたい。
 

 

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